興味深いコラムを発見したので紹介。
現在テレビCMで放送中、YouTubeで200万回再生の日清カップヌードル「魔女の宅急便(青春)」について・・・

そもそも今の10代は「魔女の宅急便」を見たことがない⁉

「ジブリ作品を一度も見たことがない」という10代はいないかもしれません。しかし『千と千尋の神隠し』が放映されたのが、彼女達がまだ小学1年生以下の時。そもそも、それ以前のジブリ映画については、なんとなく内容は知っていても、きちんと見たことのある人は少ないのが実情です。

今回の『魔女の宅急便』に関しても、公開時期は1989年ですから、2000年代生まれの今の10代は生まれていません。彼女達は「魔女の宅急便がこんなに可愛いものになっているよ、すごい!」と言った懐古的な印象ではなく、全く別の新しい作品としてCMを楽しんでいます。

YouTubeを日常的に見ている今の10代は、コンテンツの時代性に括られずにレコメンドされたものを視聴します。そんな環境で育った10代は、ただ純粋に自分が良いと思えるものに反応するという鋭敏な感覚を持っています。

作品を見たことがなくても、魔女の宅急便の“リメイク”CMに共感したり、ハロウィンになると「キキ」の格好が可愛いからと、コスプレをするJCJKがいます。インターネットなどで時代を超えて作品に手が届く現代では、作品の全体像ではなく、切り取ったコンテンツが可愛いか、かっこいいか、クールかどうかなのです。

さらに、こんなことも・・・

テレビCMには許されていて、SNSでは許されないこととは?

メディアの主流がテレビからWebへと時代が移り、10代がとらえる広告の印象が変わってきました。

この連載は広告業界の方や近しい業界の方が読んでくださっていると思うので、今更感もあると思いますが、今までTVCMは「これは広告である」ということが大前提にありました。番組と番組の間にあるCMは、企業PRの時間である、と視聴者は割り切っていましたよね。

対してWebにはそれがありません。コンテンツの切れ目を、コンテンツ提供側が作り出すのではなく、ユーザー自身で選べる仕様となっている。だからこそ、コンテンツの延長線上のような、あえて「広告らしさ」が消された施策も多く見られます。それ自体は悪いことではないと思います。ただ、「広告かどうか」を隠してしまっている状態、極端にいうと「嘘」が存在するからこそ、そのステルス性に気づいた際に拒否反応を示す10代がものすごく多いのだと思います。

さらにいうと、テレビで商品CMに出ることと、自身のTwitterで商品を紹介すること、商品のPRという面だけ見ると根本的な相違はないと思われます。でも、若者たちはテレビが「広告前提」のメディアであると認識しているのに対して、SNSは「自身のパーソナルを発信する、パーソナルで管理できる」場であると認識している。そこに「個人の時間」を侵害する“広告”が入ってくると、とたんに冷めてしまうのではないかと感じています。

なんとも耳の痛いお言葉、結論として・・・

コンテンツのクオリティさえ高ければ、広告だろうと関係ない

今回の『魔女の宅急便』に関してもいることですが、それが広告であろうと、やはり10代が重視しているのは「内容のクオリティ」です。反対に言えば、ある一定のクオリティや「条件」さえ確保すれば、それを広げるのは難しいことではありません。

そう広告のクオリティ・・・あらためて再認識。